投資物件の種目ごとのメリット・デメリット
区分マンション投資
区分マンション投資とは、マンションの1住戸を購入して賃貸経営を行う投資方法のことです。まずはそのメリットから挙げていきましょう。
【区分マンション投資のメリット】
・マンション1住戸の購入で始められるため投資費用を抑えることができる
・エントランス、廊下といった共用部分の管理はマンション管理組合が行うためオーナーの手間は不要
・立地の良い物件を購入しやすいため家賃の下落リスクは低めである
・鉄筋コンクリート構造以上ならば法定耐用年数47年と建物の寿命が長い
・1住戸分の価格ならば比較的流動性が高く換金しやすい
・分散投資(複数物件への投資)をすればリスク管理がしやすい
・高額物件でなければ比較的金融機関の融資を受けやすい
このように、区分マンションは物件価格・物件管理・流動性・リスク管理といった、幅広い点で投資メリットが高い物件であると言えます。
一方、デメリットもあるので、確認しておきましょう。
【区分マンション投資のデメリット】
・家賃収入が0円になる可能性がある(空室リスクが高い)
・築年数が古い物件を購入した場合デッドクロス(借入れ元金返済額が減価償却費金額を上回ってしまう現象)のリスクがある
・1投資あたりの収益が少ない
・管理体制次第で物件価値が低下するリスクがある
ご覧のように、メリット・デメリットは表裏になっている部分が多いです。例えば、投資金額が手頃だとしても、収益はそれなりの分しか上がらないし、管理の手間がかからなくても、管理組合の活動や意思決定については一つの議決権を持つにすぎないので、万が一熱心さに欠ける組合だとマンションの劣化が進む可能性などがあります。これらのことを理解した上で、投資対象として検討することが必要です。特に初心者には資金的にも始めやすいので、物件選びは慎重にした方がいいでしょう。
アパート・マンション一棟建て投資
文字通り、アパートまたはマンション一棟全部の所有者となり、賃貸経営を行うものです。それぞれの一棟投資のメリット・デメリットを順番に見ていきましょう。
【アパート一棟投資のメリット】
・複数の住戸を賃貸することで大きな収益が見込める
・各住戸で入退居時期が異なるので空室リスクを低く抑えることができる
・中古アパートを購入する場合(オーナーチェンジ)は、投資費用を抑えることができる
・経年劣化で建物が老朽化しても土地の資産価値は維持できる
・アパートは木造建築が多いため取り壊しも比較的簡単に行うことができる
・オーナーは自分だけなので管理体制や修繕計画などを自分の判断で行える
・資金や計画次第で管理業務を管理会社に委託すれば雑務の手間をかけずに済む
【アパート一棟投資のデメリット】
・管理を自分でやる場合は共用部分の清掃や消耗品の交換、入居者からのクレームなどにすべて対応しなければならない
・細かな修繕から大規模なリフォーム(外壁・内装・水回りなど)まで自分で計画・実施しなければならない
・1階や日当たりが悪い部屋など人気の低い住戸も含めて満室にするための工夫が必要
・学生を入居者層としたワンルームなどは入退居のサイクルが短く、募集・審査の業務が繁雑で空室リスクも高くなる
【マンション一棟投資のメリット】
アパート同様、複数の住戸を賃貸するため、空室リスクには強い投資と言えます。また居住用の鉄筋コンクリート構造の建物の法定耐用年数は47年なので、長期にわたってマンション経営を行うことができます。
【マンション一棟投資のデメリット】
最大のデメリットは、投資費用が高額になることです。そのため、万が一投資に失敗したときのダメージは相当大きなものになります。また、管理維持に多額の費用がかかることもデメリットです。マンションの場合、資産価値の維持を考えると管理業務は専門知識を有する管理会社に委託した方が確かですから、その分の費用が必要になります。15〜20年ごとに大規模修繕を行うことも必要で、それに向けた長期修繕計画も、管理費収入と合わせた資金面を含めて素人では難しいので、やはり管理会社に依頼することになるでしょう。
目減りしていく資産価値とかかる経費、入居率の低下、家賃の値下げなど、将来の収支を推測して、売却時期をあらかじめ決めておくことも必要かもしれません。
一戸建て投資
一般的には投資対象としての認知度は低めですが、一戸建てに魅力を感じて経営している投資家は少なくありません。
【一戸建て投資のメリット】
・中古の低価格物件ならば少額から投資を始められる
・賃貸しやすいようにリフォームなどができる
・将来的に建物が老朽化しても土地の資産価値は維持できる
・長期間の入居が期待できる
・物件の維持・管理は基本的に入居者に任せられるのでオーナーの手間はかからない
・駅から遠い立地でもファミリー層の需要がある
・将来的な投資終了時に売却しやすい
【一戸建て投資のデメリット】
一戸建て投資の場合、区分マンション同様、家賃収入が0円になる期間が発生する可能性があるため、空室リスクが経営悪化に直結してしまうことがデメリットとして挙げられます。
また、修繕については、室内だけでなく外壁や屋根、外構などにもおよぶため、リフォーム・コストが高くなる傾向があります。修繕の計画についてもオーナーが自分で立て、資金を蓄えておく必要があります。
メリットとして、「土地の資産価値が維持できる」ことを挙げましたが、土地価格は接道状況によって大きく変わります。投資物件を選ぶ際には価格や利回りだけにとらわれず、将来の売却可能性を考えて、接する道路幅や間口の広さ、方角、インフラ回り(電気・ガス・上下水道・通信)を確認することをおすすめします。
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